私の短大時代の友人の話です。彼女は短大を卒業し就職して3年ほど経ってから、同じ会社の営業マンと結婚しました。
彼女は特別目立つ美人ではありませんでしたが、線が細くとにかく男を立てるのが上手い子でした。「女は三歩下がって」を信条にしており、どこか古風な雰囲気も手伝ってか守ってあげたくなる、そんな女性でした。
結婚相手の営業マンは同い年で、明るく社交的な絵に描いたような営業マンでした。少々強引なところもありましたが、そこが彼女と馬が合ったのでしょう。
めでたくゴールインしてすぐに子宝にも恵まれ、女の子を出産しました。私は独身でしたが、よく私の住んでいたマンションにも娘を連れて遊びに来ました。
彼女の娘が5歳になった頃の休日でした。私が家でゆっくりしていると、娘がたった一人で訪ねてきました。幼稚園児が一人で大人の家に遊びに来るなんて今まで無かったので、「お母さんに連絡するね」と言いました。でもその子はやめてくれと言います。
何かあったのかと聞くと、「ママがパパ以外の男の人と遊んでいる。今日もおうちに来たから、お外に出されたけどおばちゃんとお話ししたくてここまで来た」と言いました。
衝撃的な告白に度肝を抜かれましたが、冷静になってさらに話を聞き出すと…どうやら友人はこの子が幼稚園に入園した辺りから旦那さん以外の男性と親密な仲になっているようで、その事を娘には堅く口止めしているとのことです。
旦那さんが家にいない日は娘を家に置いて出掛ける事もあり、最近では仕事で旦那さんがいない日はその男性を自宅に呼んでいると。これは初めての事ではなく、娘はそうなった時は家から追い出されると言います。当然、この事を旦那さんは知りません。
ただの浮気話どころか、育児放棄も加わっているため我が友人の事ながら非常に腹が立ちました。しかし、私は赤の他人ですので他人様の家庭事情にそこまで首を突っ込めません。
私は後日旦那さんにお会いして、聞いた事すべてを話しました。信じてもらえるか不安でしたが、あっさりと信じてもらえました。どうやら思い当たる節があったようで、旦那さんはすぐに興信所を利用し友人の身辺調査を始めました。
興信所の調査による結果は、真っ黒
浮気相手はパート先の上司でした。旦那さんは娘をしばらく私に預け、弁護士に頼んで離婚に向けて話し合いを始めました。
最初は浮気の事実も娘の放置も否定していた友人でしたが、ホテルへ入っていく写真やら電話の録音やらを突き付けたらすべてを白状しました。
「あなたより彼は亭主関白っぽくて素敵」「あなたは優しいけど、もっと強引で男らしい人が好き」「本当は男の子が欲しかった」等々を告白したそうです。
友人が男らしいと評していたはずの浮気相手は、バレた途端に音信不通になろうと逃げ回りましたが、弁護士の手によってあっさり捕まり職場へも彼の家庭にもバレて、慰謝料も払う事になりました。
友人自身も旦那さんへの慰謝料だけでなく浮気相手の奥様へも慰謝料を支払う事になりました。親権は彼女が拒否したため、旦那さんが得ました。
現在、旦那さんは近所にあるご実家に戻られてご両親と協力しながら育児と仕事をしているそうです。友人の方は離婚後私のところに「あなたのせいで離婚になった。慰謝料を払え」とよく電話を寄越していましたが、最近は何の音沙汰もありません。
一つ気がかりなのは、母親の浮気現場を目の当たりにし口止めまで強要されていた娘さんがもっと大人になった時、母親について何を思うのだろうという事です。あんなに小さな子が赤の他人である私を頼って来たのは、きっと縋るような思いがあったからなのかもしれません。私はあくまでも、彼女にとって近所のおばちゃんに過ぎませんが、今後もあの子の力になれたらと考えております。
投稿者の方は、とても優しい方に感じます。この浮気をした友人と仲が良かったのが不思議なくらいです。
もちろん、この夫婦が離婚となったのは奥さんが浮気をしたからで、投稿者の責任ではありません。この娘さんが、父親と祖父母の愛情をたくさん受けて育つことを願うばかりです。